某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

中枢性めまいに対する椎骨脳底システムのCTアンギオ

Vertebrobasilar system computed tomographic angiography in central vertigo

Pasaglu L    2017  

 

 

めまいのある患者にCTAやMRIを用いて椎骨動脈を評価。

既往歴、身体検査、耳科や神経学的なテストから、中枢性めまいの疑いのある129名の患者(MRI脳梗塞は否定)

コントロール群として、めまいは無いが似たような脳血管疾患のリスクファクターをもつ120名。椎骨動脈と脳底動脈の直径、形成不全、椎骨動脈の出口側の変化、椎骨脳底動脈のねじれ、50%以上の狭窄の有無がすべての患者において検査された。

 めまいのある群では、椎骨動脈の形成不全と50%以上の狭窄が高頻度でみられた。めまい患者のうち78名(60.5%)に50%以上の狭窄があり、そのうち54名(69.2%)はV1に、9名(11.5%)はV2に、2名(2.5%)はV3に、13名(16.6%)はV4に狭窄がみられた(V1-V4の分類は後述)。めまい、コントロールの両群において脳底動脈の形成不全と50%以上の狭窄の保持率は同程度であった。

 

  

V1・・・椎骨動脈の根元からC5,6頸椎の横突孔まで 

V2・・・C5,6の横突孔からC2まで

V3・・・C2横突孔から硬膜まで

V4・・・硬膜から脳底動脈になる合流地点まで

 

結果

 右の椎骨動脈の平均径

  めまい群3.72±1.15mm コントロール群3.94±0.9mm

 左の椎骨動脈の平均径

  めまい群3.97±1.1mm コントロール群4.18±0.8mm

  脳底動脈の平均径

  めまい群3.33±0.6mm コントロール群 3.44±0.7mm

それぞれ、めまい群の方が平均径が小さかったものの、統計的には優位差はみられなかった。

 

椎骨動脈の形成不全と50%以上の狭窄については、めまい群で明らかに高かった。78名のめまい患者には50%以上の狭窄があり、54名(69.2%)はV1に、9名(11.5%)はV2に、2名(2.5%)はV3に、13名(16.6%)はV4に狭窄がみられた。

解離性動脈瘤、線維筋過形成は両グループでみられなかった。めまいのある8名は50%以上の狭窄を伴う椎骨動脈の形成不全がみられた。8名のうち5名には経皮的血管形成術やステント留置が行われ、3名は血管内治療は希望しなかった。コントロール群では形成不全や狭窄は認められなかった。78名のうち5名は両側の狭窄があった。

 左の椎骨動脈は動脈弓から出るが、めまい群では9.3%、コントロール群では7.5%が鎖骨下動脈から出る変異がみられたが、統計学的には有意差はみられなかった。

 めまい群では9名はV1のねじれがあり、17名は脳底動脈のねじれがあった。コントロール群ではそれぞれ8名、13名で統計学的な有意差はなかった。

 

 

 

 

以下個人的な考察

考察が結果とほとんど一緒で考察じゃない気が・・・

 

 

以前に金沢へ教えに来てくれたアメリカのPTの話では、

アメリカではめまいに対して理学療法士が徒手でアプローチするらしいのですが

日本では耳鼻科の先生がやってますね・・・

 

私もアプローチの1つとして、頸椎へのアプローチ(もちろん評価あってですが)を行うことがあります。

上位頸椎ばかり重要視していましたが、めまい群ではV1の狭窄が多いとのことから

胸郭〜C5,6へのアプローチも大事になりそうですね。

 

来週は旅行先からの更新になるので更新できるか不明です(つд⊂)

足底の皮膚受容器の役割

 

The role of cutaneous receptors in the foot

2002  Inglis JT, Kennedy PM, Wells C, Chua R

 

 

概要

 前回のブログに記載した論文の元となった論文です。(ちょっと古いです)

 

 

この論文において、1つめは、様々な振動周波数をもちいて足底の55箇所において振動閾値を調査し、足底に感覚のマップが存在するかどうか、感度の領域ごとの違いを確立した。

2つめは若年と老年の人々を対象として、皮膚振動閾値が加齢によって高くなるのか、そしてこれは姿勢の不良や高齢者が転倒しやすいことと関連があるのかを調査した。

 

 

方法と結果

 検査はすべて背臥位で、右の足首をニュートラルに保ち、非荷重の状態で行われた。

検査1

 振動刺激が55箇所に与えられそれぞれの箇所に25,50,250,400Hzの4種類の周波数の振動が与えられ閾値は振動強度を漸増および漸減させていくことで調べた。

検査2

 膝窩の部分で脛骨神経にタングステンの微小電極が挿入された。神経の求心路(感覚神経?)を同定し、足底への刺激からSA1、SA2、FA1、FA2の分布を明らかにした。

 

 

A:つまさき B:母趾球と小趾球のレベル内側 C: 母趾球と小趾球のレベル中間 

D: 母趾球と小趾球のレベル外側 E:内側アーチ F:外側アーチ G:踵部

 

 

閾値の高い順からAGDFCEBとなった。これは4つの周波数すべてで同様であった。

しかし、年齢での閾値には一部違いがあり、25Hzは同じだが50,250,400Hzの閾値高齢者で高値であった。

(SA1-FA2の各受容器の分布は前回の記事参照)

皮膚ストレッチの方向に対して、SA2の発火には劇的な違いがみられた。

 (外側へのストレッチに対して受容器の発火が強く、長く続いている)

 

 

 

 

以下個人的な考察

 

足の領域で受容器の分布が異なるのは前回の記事通りで、おそらく部位によって機能は異なるのでしょう

 

外側への皮膚のストレッチに対して受容器が強く発火するということは

荷重下では足に対して重心が内側へ動揺する際に強く反応する

→重心が内側へ行かないようにコントロールしている??

扁平足になる人はこの受容器の働きが低下しているとか・・・?

SA2なので50Hzの振動を入れてやれば扁平足予防になるのか・・?

 

趾先で閾値が高いのは・・?

AGDFで高いということは、足底の荷重部、歩行時の重心移動の線が通るところの閾値が基本的には高い

でも母趾球部分の閾値が低いのがよくわからない・・・

ここは全くわからん・・とりあえず母趾球に触れるのは土踏まず同様に要注意なのかな

 

レセプターがほとんどない(前回記事より)土踏まず部分の閾値が低いってのも不思議!部位によってレセプターの閾値が異なるのが要因でしょうけど

 

足を触る際には部位によって少し強さを変える必要があるのかも

 

うーん!疑問ばっかり

色々と読んで、臨床での変化を見ていけば解決していくだろうか・・

脳卒中患者さんの立位保持に対するライトタッチの効果

Influence of light touch using the fingertips on postural stability of poststroke patients

2015 SH Lee, DG Lee, YB Lee, YJ Jee, GC Lee, D Park

 

 

脳卒中後の患者さんの姿勢制御に、ライトタッチがどのような影響をもたらすかを検証する。

静止立位時の重心動揺を計測

①ライトタッチ無しで視覚情報もブロックしない

②ライトタッチ無しで視覚情報をブロック

③ライトタッチありで視覚情報をブロック

④ライトタッチありで視覚情報はブロックしない

の4条件で前後左右方向へのCOPの動揺速度、モーメントを計測する。

結果としてはライトタッチを行うと重心動揺の範囲、速度が減少。目を閉じた状態ではよりその比率は高かった。

 

 

 

 

以下、個人的な考察

最近ライトタッチの論文をよく読みます。

ほぼすべての論文がライトタッチで重心動揺範囲が狭くなる→安定した立位がとれるようになるって流れになっているけど

重心動揺範囲を狭いから安定した立位ではないと考えています。(パーキンソン病の方は健常者よりも重心動揺範囲が狭い)

ライトタッチが主流になるのは個人的には反対です。

足底の皮膚受容器の変化について

Selective skin sensitivity changes and sensory reweighting following short-duration space flight

2014 CR Lowrey, SD Perry, N DJ Strzalkowski, DR Williams, SJ Wood, LR Bent

 

宇宙へいく前後の宇宙飛行士の踵、第5中足骨頭、母趾における感覚受容器の閾値の変化について。

 

皮膚感覚受容器には4種類あり、それぞれ受容しているものが異なる

・順応速度の速いもの、遅いもの(fast, slow) と 受容範囲の狭いもの、広いもの(1 or 2)で分類

 遅くて狭い・・・SA1 凹圧

 遅くて広い・・・SA2 皮膚の伸張

 速くて狭い・・・FA1 皮膚の接線のコンタクト方向を検出

 速くて広い・・・FA2 皮膚のすべり、速度

 

この中で、FA2は特に姿勢調整に関わり、前庭器官からの入力が不確実となった場合の代償に関わる。

 さらに、これらの受容器は独自のHzの振動数に反応する。

 SA1・・・3Hz

 SA2・・・25Hz

 FA1・・・60Hz

 FA2・・・250Hz

 

 第5中足骨頭・・・25Hz、60Hz、250Hzに対する閾値が低い

 母趾・・・60Hzに対してのみ低い

 踵・・・全体的に高い

 

非重力環境にさらされることによって各レセプターの感度は低下するが、再荷重により2-4日後には回復する。しかし、踵における250Hzは非重力環境によってむしろ鋭敏になり、帰還後2-4日後でも鋭敏になった感覚は戻らない。

宇宙から帰ってきた宇宙飛行士の中で、250HZへの反応が過敏になった人(FA2の働き増加?)は前庭機能の能力の低下が顕著であった

 

ヒトの体はおかれた環境に応じて4つのレセプターの重要度を変化させ、より安全な動きができるようにしている。

 

 

 

以下、個人的な考察

受容器が4つあることは知っていたけど、反応するHzが異なるとは・・・

250Hzの振動刺激をいれることでより安全な動作が可能になるのだろうか。

250Hzの音はyoutubeにあるので、スピーカーを足の裏にあてて振動刺激を加えたら変化がみれるのかな・・・ 近日中に試してみます。多分。評価が難しいか

 

あと思ったのが

 第5中足骨頭・・・25Hz、60Hz、250Hzに対する閾値が低い

 母趾・・・60Hzに対してのみ低い

 踵・・・全体的に高い

  →第5中足骨頭における感覚が姿勢調整に大きくかかわる?

  →母趾においては方向性が重要?→toe offの際どちらの方向へ動くのかが重要?

内藤先生は振動刺激として70Hzをいれた際に腕の伸展錯覚がおきやすいっておっしゃってたけど筋紡錘は70Hzなのかな

 

 

論文を読んでいたときはいろいろと思ったことがあったけど、文字にして書いてみると難しい・・・

週1更新を目標に頑張ります