某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

脳卒中患者さんの立位保持に対するライトタッチの効果

Influence of light touch using the fingertips on postural stability of poststroke patients

2015 SH Lee, DG Lee, YB Lee, YJ Jee, GC Lee, D Park

概要  

脳卒中後の患者さんの姿勢制御に、ライトタッチがどのような影響をもたらすかを検証する。ライトタッチの有無で静止立位時の重心動揺を計測するが、①ライトタッチ無しで視覚情報もブロックしない②ライトタッチ無しで視覚情報をブロック③ライトタッチありで視覚情報をブロック④ライトタッチありで視覚情報はブロックしない の4条件で前後左右方向へのCOPの動揺速度、モーメントを計測する。結果としてはライトタッチを行うと重心動揺の範囲、速度が減少するが、目を閉じた状態ではよりその比率は高かった。

 

ヒトの直立姿勢は基底面が狭いので基本的に不安定なものである。体幹をアップライトに保つために姿勢のコントロールは持続的に必要となる。姿勢を維持している間、前庭、視覚、体性感覚情報がCNSで統合されている。姿勢維持には眼球の反射的なコントロールが必要となる。この3つの感覚情報のうちどれが障害されても姿勢の不安定性に繋がる。視覚情報がブロックされると20-70%姿勢の動揺が増加するという報告もある。  脳卒中患者さんでは、麻痺側の運動麻痺、感覚障害の他、非麻痺側とのアンバランスからも姿勢障害がでる。非麻痺側で60-90%の重心を支持していることが報告されており、これが重心動揺を増加し姿勢調整を妨害する。これは歩行にも影響をもたらす。  先行研究ではT字杖の使用で腸骨の安定性が改善したと報告があり、不安定な面を歩く際には手すり等へのライトタッチを行うことで姿勢が安定すると報告している。指先でのライトタッチが触覚を改善し、姿勢制御を潜在的にサポートすると考えられる。特に、1N以下の力での触覚刺激が姿勢の動揺を減少させる。ライトタッチの効果は、通常の姿勢だけでなく、ロンベルグ肢位でも有効であるとの報告もある。  

本研究においてはライトタッチによりCOPの動揺範囲と速度の大幅な改善が認められた。ライトタッチは機械的な支持というより触覚のフィードバックとして用いられる。姿勢の安定のためには強固な支持が必要であると思われるが、実際には強いタッチ同等の効果がライトタッチで得られる。統計的には前後方向に4.98mm/sの、左右方向へは4.57mm/sの、全体として12.92mm/sの動揺速度の減少がみられた。閉眼条件では前後方向7.42mm/sの、左右方向へは7.68mm/sの、全体として19.84mm/sの動揺速度の減少がみられた。 脳卒中だけでなく、末梢神経障害、視覚障害、両側の前庭機能障害の患者さんにもライトタッチが有用であるという報告がある。

 

 

最近ライトタッチの論文をよく読みます。

ほぼすべての論文がライトタッチで重心動揺範囲が狭くなる→安定した立位がとれるようになるって流れになっているけど

重心動揺範囲を狭いから安定した立位ではないと考えています。(パーキンソン病の方は健常者よりも重心動揺範囲が狭い)

ライトタッチが主流になるのは個人的には反対です。