読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

足底の皮膚受容器の役割

 

The role of cutaneous receptors in the foot

2002  Inglis JT, Kennedy PM, Wells C, Chua R

 

 

概要

 前回のブログに記載した論文の元となった論文です。(ちょっと古いです)

 足底の皮膚受容器はヒトの立位と歩行のコントロールに貢献すると考えられる。足底のレセプターの特性を確立するため、2つのアプローチが行われた。若年および年配の人々の非荷重の足底での、精神心理学的振動触覚の閾値(25Hz-400Hz)が決められた。閾値は母趾球・小趾球部分とアーチ部分で低く、踵とつま先領域で高かった。老年の人々は特に高い振動数への閾値の上昇がみられた。2つめに、非荷重下の若い人々の皮膚求心性情報から微小神経電図が作成された。結果としては、足底と手の皮膚には似たようなタイプの皮膚受容器があったが、その濃度と分布には違いがみられた。我々の結果では、足底の皮膚からの求心性入力は姿勢や歩行のコントロールに役立つことが示された。

 

 

 ヒトの姿勢を直立位に保つのは体性感覚、前庭、感覚情報が複雑に絡み合った感覚運動システムで、全ての情報が立位や歩行をコントロールしている。これらすべての入力の統合が立位の最適なバランスのコントロールに繋がることに疑いの余地はないが、下肢からの体性感覚情報は、より強力な役割を果たしていると考えられている。この体性感覚情報の元となるはっきりとした要因についてはまだ議論の余地があるが、近年では足底の皮膚受容器が重要な働きをしているというエビデンスが集まっている。いくつかの視点からの研究がこれを支持している。足底を冷やし、足底からの皮膚感覚情報の入力を減らすと静止立位時の姿勢動揺が増加することが示されている。前庭への電気刺激の後引き起こされる姿勢の動揺は、足底を冷却した際の姿勢動揺に似ている。最終的には、突然の外力(床面の動きとか)に応じる代償的なステッピング反応もまた足底の支持面の情報の減少に劇的に影響を受ける。

 足底の皮膚情報の減少は姿勢の不安定性に関連するが、足底の皮膚への低振幅の振動(0.2-0.5mm, 20-80Hz)は直接的に特別な姿勢動揺をもたらす。例えば、両側の中足骨の足底側への振動刺激は後方への動揺を引きおこす。興味深いことに、姿勢動揺の幅は振動刺激の周波数に影響され、皮膚への高周波の振動刺激はより広い範囲の動揺を引き起こす。Mergnerらの近年の研究(2001)では、正常な姿勢動揺の範囲にある足底皮膚への機械的な刺激は皮膚刺激に高い相関のある動揺を惹起することを発見している。

 

 上記の研究は立位バランスにおける皮膚情報の重要性を示しているが、足底から入手される情報の性質と種類における我々の知識はほとんどが間接的なエビデンスに基づいている。足底からの皮膚求心性情報は「圧のマップ」として足底圧の変化をコードすることができるというのは必然であるようだ。このマップは感覚の配列のようにモニターでき、圧の変化は立位や歩行時の足底を横切る足底圧の動きと遭遇する。足底の皮膚への振動触覚刺激の閾値の研究は少ないものの、足底の領域での違いを見出し、こうしたマップが存在することをほのめかしている。しかしながら、2足での立位における皮膚機械受容器のさらなる役割を評価するには、ヒトの足底の皮膚における感覚受容器の分布と働きを理解することが重要である。末梢神経の皮膚求心情報の微小神経図の記録は様々な刺激に応答する皮膚受容器の機能的な特徴をダイレクトに解析する。しかしながら、こうした微小神経図を下肢にもちいた研究は限られており、またこれらは子牛の有毛部の皮膚を検査しており、無毛部の皮膚は足底の外側面に限られている。結果として足底に特徴的な機械受容器の特性、分布、領域のバリエーションや密度や反射特性には何の情報もない。

 足底の皮膚求心情報の潜在的な貢献や、この領域が姿勢のコントロールに役に立つ情報を潜在的にコードするかどうかを理解するために、2方向の研究が行われた。1つめは、様々な振動周波数をもちいて足底の55箇所において振動閾値を調査し、足底に感覚のマップが存在するかどうか、感度の領域ごとの違いを確立した。2つめは若年と老年の人々を対象として、皮膚振動閾値が加齢によって高くなるのか、そしてこれは姿勢の不良や高齢者が転倒しやすいことと関連があるのかを調査した。2つめの研究では、足底にはどんなタイプの受容器があるのか、その分布はどうなのか、物理的な活動閾値はどうなのか、受容範囲の性質を明らかにするため、微小神経図の記録が足底の皮膚求心情報から作成された。

 

 

方法と結果

 検査はすべて背臥位で、右の足首をニュートラルに保ち、非荷重の状態で行われた。

検査1

 振動刺激が55箇所に与えられた(図参照)。それぞれの箇所に25,50,250,400Hzの4種類の周波数の振動が与えられ閾値は振動強度を漸増および漸減させていくことで調べた。

検査2

 膝窩の部分で脛骨神経にタングステンの微小電極が挿入された。神経の求心路(感覚神経?)を同定し、足底への刺激からSA1、SA2、FA1、FA2の分布を明らかにした。

 

図1の55箇所は7つのグループに分けられた

A:つまさき B:母趾球と小趾球のレベル内側 C: 母趾球と小趾球のレベル中間 

D: 母趾球と小趾球のレベル外側 E:内側アーチ F:外側アーチ G:踵部

 

 

f:id:kami_12483:20170416082657j:plain

閾値の高い順からAGDFCEBとなった。これは4つの周波数すべてで同様であった。

しかし、年齢での閾値には一部違いがあり、25Hzは同じだが50,250,400Hzの閾値高齢者で高値であった。

(SA1-FA2の各受容器の分布は前回の記事参照)

皮膚ストレッチの方向に対して、SA2の発火には劇的な違いがみられた。

 (外側へのストレッチに対して受容器の発火が強く、長く続いている)

f:id:kami_12483:20170416082710j:plain

 

考察

 ヒトの足底の振動触覚刺激の閾値は領域によって明らかに異なり、また周波数のみに依存しているのではないようである。手においては指先が最も閾値が低いが、足においてはつま先部分が最も閾値が高かった。これは受容器の分布の違いもあるが、部位によって受容器の閾値にも違いがあることが考えられる。加齢によってFA群の閾値が上昇し、反応が遅くなることが考えられる。

 微小神経図では、足底の領域によってバリエーションがあることは、受容器の密度の違いのみによるのではないことが示された。閾値や受容領域のサイズは手で示されているものよりも足の方がはるかに大きく、領域によってバリエーションがあるのは受容器の分布よりも各受容器の反応特性によるものである可能性が高い。高齢者では皮膚も固くなり、受容器の機能も変化するため、若年者とは反応が異なることが考えられる。

今後は荷重下での違いについての検討が必要である。

 

 

以下個人的な考察

まず思ったのが、考察みじか!

色々と結果があるのに、考察がこれだけとはもったいないというかなんというか・・・

 

足の領域で受容器の分布が異なるのは前回の記事通りで、おそらく部位によって機能は異なるのでしょう

 

外側への皮膚のストレッチに対して受容器が強く発火するということは

荷重下では足に対して重心が内側へ動揺する際に強く反応する

→重心が内側へ行かないようにコントロールしている??

扁平足になる人はこの受容器の働きが低下しているとか・・・?

SA2なので50Hzの振動を入れてやれば扁平足予防になるのか・・?

 

趾先で閾値が高いのは・・?

AGDFで高いということは、足底の荷重部、歩行時の重心移動の線が通るところの閾値が基本的には高い

でも母趾球部分の閾値が低いのがよくわからない・・・

ここは全くわからん・・とりあえず母趾球に触れるのは土踏まず同様に要注意なのかな

 

レセプターがほとんどない(前回記事より)土踏まず部分の閾値が低いってのも不思議!部位によってレセプターの閾値が異なるのが要因でしょうけど

 

足を触る際には部位によって少し強さを変える必要があるのかも

 

うーん!疑問ばっかり

色々と読んで、臨床での変化を見ていけば解決していくだろうか・・