某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

筋膜の能動的な収縮性について

Active fascial contractility:Facia is able to contract in a smooth muscle-like manner and thereby influence musculoskeletal mechanics

2005  R.Scheip   W.Klingler  F.Lehmann-Horn

 

 

筋膜は平滑筋のように収縮することができ、それによって筋骨格系のメカニズムに影響を及ぼす。

 

要約

免疫組織学的な解析により、我々は正常な人間の筋膜内(特に大腿筋膜、足底腱膜、腰筋膜)に筋線維芽細胞が存在することを示した。その密度は腰筋膜で最も高く、身体の活動性に正の相関があるようだ。人体外でのテストにおいて、我々はラットの腰部の筋膜の一片をつるし、収縮作用の反応性を測定した。抗H1(←ヒスタミン?)薬であるメピラミンを用いると、筋膜には明らかな収縮性の反応がみられた。一方で窒素酸素付与体であるトリニトリグリセリンはリラクゼーションを起こした。仮に生体において似たような収縮が起きた際には筋骨格系のメカニズムに大きな影響を及ぼすくらいに計測された力は強かった。

 

序論

筋膜は大抵筋骨格系の動きに対し、力を受動的に伝達していると考えられている。しかしながら、文献によっては能動的な筋膜の収縮は、筋膜内の収縮性の細胞の存在による効果だと言及している。本研究ではまずヒトの筋膜が能動的な収縮性をもち、それがおそらくバイオメカニカルな振舞いに影響を及ぼすという明らかなエビデンスを紹介する。

 

対象と方法

げっ歯類、ブタ、ヒトの様々な筋膜の線維が収集され、Ulm大学(ドイツ)の倫理委員会のガイドラインに基づいて実験が行われた。32人のヒトの体から筋膜のサンプルが集められ(17歳~91歳、男25人、女7人)平滑筋アクチンにより免疫染色された筋線維芽細胞の存在をデジタルで数値化し解析した。ラットやマウスから採取した腰部筋膜のサンプルは比較、対照に用いられた。加えて、筋膜の新鮮なサンプルは生体外で等尺性の伸張をうけ、機械によって描写される力が書き留められた。これらは薬槽で処理され具体的には電解槽で修正された。線維は機械的、電気、薬物により刺激され、線維の張力の変化は電子工学的に記録された。使用できない筋膜は細胞質の貢献をはっきりさせるために調査された。

 

 

結果

先行研究では、筋線維芽細胞は正常な筋膜に存在することが示された。人間の腰部の筋膜では、人間やラットで行われた他の筋膜のものと比較して、筋膜の格子様の線維の方向に筋線維芽細胞がより高い密度で存在した。一般的に筋線維芽細胞の密度には個人間で大きなばらつきがあった。筋線維芽細胞の密度と身体活動には正の相関があることがデータから示された。生体外のストレッチの繰り返しに反応する初期剛性の増加は(文献内でもいわれているように)細胞間質の水和性の変化によることが示された。電気刺激からは何の変化も発見されなかった。しかしながら、平滑筋様の収縮は薬物によって引き起こされる可能性があった。抗ヒスタミン剤であるメピラミンの大量投与では最も信頼できる持続的な効果があった(n=29、p<0.05)ヒスタミンオキシトシンは特定の筋膜にのみ短い収縮性の反応をひきおこすだけであったが、いくつかのサンプルではNO供与体の追加は短時間の弛緩性の反応を示した。エピネフリンアセチルコリン、アデノシンでは何の変化も引き起こされなかった。メピラミンは線維の収縮を起こすがとてもゆっくりかつ持続的な効果を示すカーブを描き、2時間も持続した。先行研究では筋線維芽細胞の密度の増加を筋内膜、筋周囲膜にて明らかにしたが、似たような収縮反応のカーブが純粋に筋膜のみでもみられ、明らかに筋性の収縮を伴っていなかった。

生体内での極限の収縮の力が仮説により計算され人間の腰部に適用された。その力は機械的な関節の安定化やγ運動調整系のような通常の筋骨格系の振る舞いを変えるに十分な強さがあった。

 

結論

これらのことから、筋膜は筋線維芽細胞によって収縮性のある器官であることがいえる。この能力は一方で線維の再構築を含めた、慢性的な線維の収縮を現すし、もう一方では平滑筋様の細胞の収縮の繰り返しが分単位や時間単位で起こることで腰背部の安定性や、ヒトのバイオメカニクスに他の見解を及ぼす十分強い力になりうる。このことは、筋膜の硬さの増加や減少に付随した病理的な理解と臨床の将来的に係わり合うことを提案する(腰背部痛、緊張性頭痛、脊柱の不安定性、また線維筋痛症のような)。このことはまた、オステオパシーロルフィングの筋膜リリースやはり治療のような筋膜に影響を与える手法に新しい見解を提案する。筋膜の収縮性に対し、さらなる調査が行われることを期待する。

 

 

以下、個人的な考察

 

とはいっても上記の通りで、筋膜線維内には平滑筋様の細胞があって

収縮できちゃうよって話ですね。

 

この論文は実はSJFの会長 U先生に6年位前に戴いたもので、pubmedでフリーのものではないのです・・・

今となっては筋膜の収縮性はかなり有名になりましたよね。

 

今回は別の論文を翻訳予定でしたが、諸事情により時間がなくて・・・

過去に翻訳したものです(´Д⊂

 

 

私のまわりでちょっと大きな変化があるかもしれません。

色々と頑張ります(フラグが立って何も変化ないかもしれません)

 

次回は筋膜に関するもっと新しい論文か、内部臓器からの刺激情報は脊髄網様体路を通ってどうのこうのって論文を翻訳すると思います。