某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

消化管の痛みに対する基礎と臨床的視点 その5

Basic and clinical aspects of gastrointestinal pain

2009 Knowles CH, Aziz Q IF: 5.6

 

今回で最後です。5)消化管の慢性痛の治療

 

 1)消化管侵害受容の解剖学的基礎(脊髄、迷走神経、腸神経システム) 

 2)消化管侵害受容の分子学的基礎(末梢および中枢のシグナルと感作)

 3)消化管侵害受容の調節(遠心性の神経、自律神経や視床下部―脳下垂体中枢) 

 4)慢性的な説明できない消化器の痛みによって特徴づけられる臨床症状 

   臨床の概要と重要性 

   病理生理学的応用

 5)消化管の慢性痛の治療

 

 

 

慢性消化管痛の治療

解剖学をベースとした治療

 消化管痛の解剖学的な基礎はまだ議論されている。消化管由来の治りにくい痛みのアプローチの1つとして、これらの疼痛経路を遮断することである。神経ブロックは、体性痛、特に脊椎の神経根由来の疼痛に用いられてきた。慢性の消化管痛では、その役割は実施不可能な後腹膜(多くはすい臓)、骨盤の悪性腫瘍由来の疼痛緩和のための免疫抑制治療の1つとして限られてきた。こうした痛みは(1)直接腫瘍が神経を巻き込んで起こるものや内臓が虚血に陥って発生するもの(2)治療に関連するもの(放射線後の神経炎、薬によって引き起こされるニューロパチー、外科的な脱神経)の結果として出現する。観血的治療は一般的に薬理学的治療や他の観血的治療や神経ブロックには効果がみられなかった患者に用いられる。ごく最近のエビデンスでは内視鏡超音波ガイド下腹腔軸ブロックも用いられる。神経根破壊のためのクモ膜下腔内へのフェノールやアルコール注射もまた約50-80%骨盤内腫瘍の痛みに効果がある。骨盤内の交感神経遮断は交感神経支配をうける脊髄の求心路を遮断する必要がある。仙髄の神経切断術は時々効果があるものの、膀胱や大腸機能障害がみられるため、疼痛に対しては行われなくなった。しかし本研究に、より関連しているのは仙骨神経刺激の急速な開発途上エリアである。仙骨神経刺激は便失禁や便秘に対する第一選択の観血的治療になりつつある。後者に関しては、痛みに対しては大抵効果がない他の外科的な治療とは異なり、仙骨神経刺激はひどい便秘のある患者の痛みに対して非常に効果があり、骨盤痛に対する治療として今後でてくるであろう。

 

消化管痛の薬理学的な調整

 内臓感作に対して、機能性消化管障害や特に過敏性腸症候群に対する薬理学治療に様々なレビューがある。現在の機能性消化管障害の痛みに対する治療は、麻酔薬、鎮痙薬と抗うつ薬を用いるが、時々便秘や鼻づまりといった副作用が出現する。製薬会社はここ20年、機能性消化管障害に対する「魔法の弾丸」を開発するために研究を重ねてきた。しかしながら、その努力は成功にはいたっておらず、金銭的にも回収できていない。臨床においても、ほとんどの薬がほとんど効果がないことが示されている。この原因の一つとして、機能性消化管障害は症状に基づいて診断され、病気を確定するマーカーが存在せず、大規模臨床試験が実施される前に薬のメカニズムを証明する病気の良いモデルが不足していることがある。

 

 

薬は末梢シグナルと末梢感作に劇的に働く

 末梢侵害受容伝達や特に末梢感作にある分子の複雑な調節は様々な可能性が議論されてきた。これらのプロセスには3つのグループのレセプター:電位作動性イオンチャネル、リガンド作動性陽イオンチャネル、Gプロテイン結合レセプターが関与しており、またこれらの分子と局所炎症前細胞、免疫細胞との双方向性の相互作用が影響する。電位作動性イオンチャネルは疼痛伝達の基本を示す可能性がある。陽イオンチャネルはその反応性を調整することでおこる変化について、体性痛については研究されてきたが内臓痛についてはそうではない。Gプロテイン結合レセプターについては、上記2つのグループに比べて消化管痛の新たな末梢治療を最大限保証する。

 

薬は中枢シグナルと中枢感作にも劇的に働く

 中枢にのみ働く訳ではないが、いくつかの薬は活動電位の伝達をブロックしたり、抑制する。

 

薬は経路の調整にも劇的に働く

 腹痛や内臓感作によって特徴づけられる機能性消化管疾患においてストレスや認知や感情機能を調整する可能性がある。

 

結論

 消化管は痛みの面からも重要で、不幸にも慢性的で説明できないものにもなりうる。消化管痛症候群の病理学的な詳細の理解は新たな薬の開発に役立ち、将来の臨床にも役立つであろう。

 

 

以下、個人的な考察

最後治療は外科的治療と薬についてのみでした。

 

機能性消化管障害の痛みに対する治療・・・効果的な薬がまだできていない

と言いながら、

薬は末梢シグナルと末梢感作に劇的に働く

薬は中枢シグナルと中枢感作にも劇的に働く

薬は経路の調整にも劇的に働く

 

ってのはどういうことなのやら。

 

うーん。最後いまいちでしたね。

 

来週は

運動時、同側性の脳活動は左脳が優位であるという論文について書こうかと思っています。

多分。