某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

頭蓋下顎痛と機能障害に対する筋筋膜リリース

Myofascial release for craniomandibular pain and dysfunction

 

JF Barnes  IF: 0.47

 

驚くべきことに、完全な生理学的システムとして重要な筋膜システムはごく最近まで注目を浴びることはなかった。臨床的なエビデンスとして、筋膜システムの制限は、歯科医やセラピストが痛みを和らげ、機能を回復させるのにかなり重大なものであることを示してきた。

 

マッサージ、運動や柔軟体操、薬、モビライゼーション、マニピュレーション、マッスルエナジーテクニック、すべて神経筋骨格システムに影響するが、筋膜システムには影響しない。筋筋膜リリースのみが構造的にクロスリンクと筋膜の基質の粘性を変化させる。

 

筋膜の制限が神経筋骨格系や他の痛覚受容組織に絶大な張力を及ぼすということに気付ければ、この情報は歯科医やセラピストに大変重要である。

 

Kyotoはこの圧を測定したところ1平方インチあたり約2000ポンドであった。この巨大な圧は、我々が排除しようと努力している様々な症状を起こしうる。症状を和らげるために無駄なことをするよりも、私たちは原因を見つけ出し、原因を絶ち、患者の複雑な問題を解決するためのツールを手に入れた。

 

 

筋膜の解剖と生理学

 ミシガン州立大学のバイオメカニカル研究所では、痛みや機能障害における筋膜システムの役割の重要性を報告してきた。筋膜の機能障害や束縛が理学療法が遭遇するひどい結果の理由になりうる。

 筋膜は途切れることなく頭から足まで3次元的に全身を広く覆う強い結合線維である。筋膜はすべての筋、骨、神経、血管、体の器官を包み、細胞レベルまで繋がる。そのため、トラウマ、姿勢、炎症等による筋膜システムの機能障害は筋膜を通じて神経や筋、骨、器官に正常でない圧を与えることとなる。これはデルマトームの領域に沿わない一見関連のない症状のようにみえる奇妙な副作用を生じさせる。痛みや可動域制限のある中で極めて高いパーセンテージの人々が筋膜の問題があるがほとんどは診断がつかず、筋膜の重要性は今になって認められてきた。多くのスタンダードな検査、レントゲン、ミエログラフィー、CAT、筋電計等は筋膜を見つけられない。

 

筋膜は3つの部分に分解できる

  • 浅筋膜は真皮の直下に存在する。
  • 深筋膜は筋、骨、神経、血管、全身の器官を細胞レベルまで包み、満たしている。

3.最も深い筋膜は頭蓋仙骨システム内の硬膜内にある。

 

筋膜は細胞レベルでは間質のスペースを作り出し、支持、保護、分離、細胞内呼吸、排泄、新陳代謝、液体とリンパの流れに極めて重要な機能を果たす。言い換えると、体のすべての細胞との直接接する環境であり、筋膜のいかなるトラウマ、機能障害も、全身の細胞の効率の低下、ネクローシス、病気、疼痛や機能障害を起こしうる環境を作ってしまう。

 健康のプロは脳、脊髄、脳脊髄液、硬膜、頭蓋骨、仙骨、複雑な筋膜システムやそれが包み、入り込み、影響するすべての構造体の生理学的な動きに対して、その治療がどのような影響をもたらすのかを考えなければならない。頭蓋と筋膜コンセプトの組織的な影響は広く理解されることで、歯科の重点は顎関節の概念から、外皮内の頭蓋下顎関節の概念へと変化する。頭蓋仙骨メカニズムを理解することで、歯科は患者全般の健康により大きな役割を果たせると考えられる。

 

側頭下顎関節機能障害は筋膜システムの強力な影響によって起こる全身の現象で、セラピストと歯科医の役割の相互作用をたやすく視覚化することができる。頭蓋下顎機能障害への筋膜リリースアプローチは、多面的で多くの学問領域に関わる。

 

伝統的な理学療法で症状への治療を始める―湿熱、頭蓋療法、超音波、経皮的神経刺激、電気刺激、微小電流、マッサージ、治療的エクササイズ―痛みやスパズムを減らし、ROMを増大させ、バランス機能の向上や筋力強化を行う。

 

バイオフィードバックは歯ぎしりを無くし、慢性的な骨格および平滑筋のテンションを減らし、リラックスしたり日常のストレスとうまくやっていったりするための再教育に非常に役立つ。

 

治療経過で、側頭下顎関節の筋スパズム、両側の関節のみに症状を引き起こす筋膜と骨の制限を評価し続ける。その構造と機能の唯一性によって、側頭下顎メカニズムはバランスをとるのに機能する必要がある。その位置や根本的な機能は遠く離れた足部、下肢、腸骨、肩といった関節のインバランスによって深く影響される。この考え方では、微小電流、神経針、冷却治療は体中の経点をマスターして行われるべきである。これらの治療はβエンドルフィンを解放し、体のエネルギーの流れを調整し、筋スパズムを減らして疼痛を軽減することができる。

(図2、3)

 

そのため、体の構造的なインバランスを作り出す筋筋膜の制限を見つけ出し、治療していかなくてはならない。制限やインバランスのおこる頻度の最も高いのは足部、腸骨、仙骨底、腰筋、肩甲帯、舌骨上部と下部である。

 

ただ単に症状の治療を行うのではなく、環椎、軸椎複合体、硬膜管、側頭筋、咬筋、内側および外側翼突筋、咬合面、側頭下顎には着目する必要がある。

 

運動と柔軟、関節モビライゼーション-マニピュレーションテクニック、トラクション、筋膜リリース、筋膜アンワインディング、姿勢再教育の組み合わせが推奨される。統一体としての体の治療により、最大限の効果と歯の治療にも役立つ。

 

我々のゴールは患者に3次元的なバランスを取り戻させることである。これによって患者の生理学的な適応能力や自己治癒能力を最大限取り戻すことができる。

 

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以下、個人的な考察

この論文は

「筋膜は〇秒でゆるむよ」みたいなことが書いてあった論文の参考文献でしたので

とりあえずどんな条件なのか読んでみようと思ったのですが

あまり秒数については記載がありませんでした。

 

細胞レベルでの研究をしていた者としては

筋膜と細胞の話がつながってくると面白い・・・

 

今回の論文は歯科と全身のつながりについてですが

近所の歯医者さんが、めまいとかも考えて歯の治療しているって噂を聞いたことがあります。

丁度歯が痛いしいってみようかな。