某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、理学療法士である私上條が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 当ブログの内容はご自由にお使いいただいて構いませんが 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

関連痛

前々回くらいのスクレロトームの話のInmanの文献を探していてみつけた文献です。

Inmanの文献はみつかりませんでした・・・

今回の文献 IFめっちゃ高くてびっくり。古い文献だからIFあまり参考にならないかもですが

author不明ってのでさらにびっくり。

 

Referred pain

1942  IF 19.96

 

内臓疾患から離れた位置に、なぜ痛みが感じられるのかは臨床家にとって長く夢中にさせてきたが、Mackenzieが関連痛に関してよく知られた概念を発達させ多くの論争を生み出してきた。Mackenzieは内臓事態は感覚を感じないが、ある環境においては内臓から信号が上向し、求心性の神経は交感神経から後根へと入り、脊髄運動神経を活性化させ、筋を活動させ、皮膚や筋からの本当の感覚神経から中枢へとつながり、我々は痛みを知覚すると考えた。こうした内臓感覚、内臓運動反射と彼が呼んだものが、関連痛の主な現象であるとMackenzieは説明しようとした。

 

 Theobaldは、子宮を観察することで新たな仮説を生み出した。彼は子宮頸部痛がある際に硝酸銀の棒をあてていると5分以内に腸骨稜、大腿内側に関連痛が生じることを示したが、これはL1の支配領域である。腸骨の痛みは、皮膚が骨に最も近づく部位での皮下線維への麻酔で一時的に和らげられ、腹部の痛みは腸骨鼡径神経、腸骨下腹神経への麻酔で和らげられる。月経困難による周期的な痛みはこれらの介入により消失する。陣痛も似た反応を示し、局所麻酔による腹痛の軽減は腸骨部の痛みを強調し、もし、局所麻酔で痛みを消失させると、鼡径管や恥丘領域の痛みとして認識される。

 これらの結果はMackenzieの仮説に一致するものであるが、内臓疾患からのぼる痛みが関連する皮膚部分への麻酔で軽減するのかを説明するに十分な根拠ではない。たとえば絞扼性大腿ヘルニアによる腹部の痛みは腹壁への麻酔では軽減しない。Theobaldは月経困難と社会的な環境の相関性を強く関連付け、実際に硝酸銀が全身麻酔下で子宮頸部へあてられると、ただちに痛みは消失することを示した。Theobaldによるこれらの事実は、関連痛の異常な特徴には、脊髄よりも脳が深くかかわっていることを示している。アクシデントで出血により痛みがどこにあるか隠されている際、体幹は板のようになり、下肢は屈曲する。もし腸骨下腹神経や腸骨鼡径神経が麻酔されると痛みや腹部の硬さはなくなる。下部胸椎の6つの神経がL1の刺激病巣によって刺激されることは無く、Mackenzieの内臓運動、内臓感覚の仮説は脳による中枢の調整を反映している。頻繁な広い関連痛―Theobaldの例では中足基節関節の障害による陰茎先端の痛みや、歯槽膿漏による腕の痛みといった関連痛を含み、これもまた脊髄よりも脳によるものと理解できる。彼は、内臓疾患のインパルスは体性感覚神経を上向し、交感神経経路を通り脳の痛覚中枢へ到達すると提案している。これらのインパルスが到着すると、通常の体壁からのインパルスの受容閾値を低下させ、痛覚受容に広くかかわる。Theobaldの仮説では内臓や皮膚からのインパルスは脊髄から感覚器へと部分的に通り、内臓運動反射は脳によるものと考えている点でMackenzieのものとは異なる。

 普段の読者は、関連痛に対する様々な理論に混乱しがちだろうが、より重要ないくつかのポイントを要約する。内臓疾患のほとんどの例で、痛みがまずどこからでているかを疑う余地がある。Lennanderは数年前に、ほとんどの腹腔臓器は機械および温度刺激への反応が悪いことを示し、痛みはこうした臓器から直接あがるのではなく、周囲の感覚の鋭い器官(腸間膜等)から上向するものであると提唱した。LewisとKellgrenらは、除脳ネコの十二指腸の腸間膜をつまむと腹直筋の反射的収縮がみられるが、十二指腸自体をつまむと反射が起きないことを観察した。Morleyらは、局在の明確ではない痛みは内臓から上向するが、これは筋の硬さによる痛みではみられず腸間膜内の体性神経の刺激の結果であると考えた。さらに、内臓やその周囲の痛みが直接上向するかどうかについてはより注意してとらえなければならない。体壁から上向するインパルスが内臓痛の原因として貢献するかどうかは最終的には解決せず、Morleyは横隔膜の下面の刺激によっておこる痛みが、肩の皮膚の麻酔によって軽減することを発見し、Woollard, Carmichael, Robertsは横隔膜の圧縮に対して同様の行為を行ってもまったく効果がなかったと報告しており論争があるが、Morleyは内臓疾患により起こりうる現象により近い条件で再現している。最後に、通常セグメントによって痛みが分布する一方で内臓痛は奇妙な分布をしている。KellgrenとLewisは、この特性は内臓疾患にのみ特有のものではなく、深層組織から上向する体性痛においてもみられることを示している。こうしたことから、障害された構造の深さによって痛みが局所的か、部位的か、離れた部位に感じられるのかを決定することがわかる。内臓からの感覚神経は自律神経系の経路を通り、他の体性感覚神経と同様に後根に入る。表層の組織においては、刺激部位と感覚受容位置には正確な関連性があり、これは重要な機能である。深層痛の局在は、明らかにインパルスが入る中枢神経システムの影響をうけており、かなり粗い部位局在でおそらくは発生起源のものである。個体発生は系統発生を繰り返すという古い生物学的原理は、内臓痛は胚形成由来のものという考えを支持するものである。

 

 

 

以下、個人的考察

1942っていう戦前の文献なので、どこまで参考になるやらって思って読み始めましたが

結構今の考えと似た感じですかね。

関連痛ってのはヒトを使って検討するしかないので

なかなか他のカテゴリよりも進めにくいのかもしれません。

 

 

こんな痛みのときはこの内臓が原因!ってのがはっきりわかれば

より安全に治療がすすめられると思うのですが

ヒトの体はそんな簡単じゃないから難しいし、面白いのかもしれません。

 

次回、東京で研修のため更新できるか不明ですが、できるだけ頑張ります。

できるだけです。