某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、某理学療法士が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 個人的にどこでみた文献か忘れないようにメモしているようなもので、 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

脳卒中発症24時間以内の超早期介入の効果と安全性について

Efficacy and safety of very early mobilisation within 24h of stroke onset (AVERT): a randomised controlled trial

2015  IF 45 (←なんと!) 

 

脳卒中発症後、早期の介入は効果があると言われているが、

その介入方法には定義はなく、強いエビデンスに裏付けられたものではない。

 

この研究では2006年から2014年まで、5つの国の56の急性期脳卒中ユニットで同意の得られた2104人を対象として

超急性期の介入を行なった群と通常の介入を行なった群で機能等を比較。

評価にはNIHSS、mRS等が用いられた。

 

結果としては発症3ヶ月後の機能は、超早期介入群がはっきりと悪かった。

24時間以内の高負荷、高頻度の離床介入の効果は通常の介入以下の結果であった。

 

 

 

以下、個人的な考察

今回の論文が載っているLancetという雑誌は世界5大医療雑誌の一つらしいです。

ものすごいIF・・・

 

この論文は、ある有名な脳神経外科のDrが勉強会で紹介していた論文で、

その先生は、九州でおそらく一番多くボトックス治療をやったとおっしゃってました。

 

その結果わかったこととして

ボトックス治療は確かに効果がある。しかし急性期、回復期でのリハ介入がしっかりしていれば、ボトックスは必要ないとおっしゃっていました。

確かに介入次第では変な筋緊張が起きてこないので、介入ってすごく大事だなぁと思います。

 

いやいや、早期介入はガイドラインで定められてるだろ!って方もいらっしゃるかもしれませんが

2003年にでた脳卒中ガイドラインでは早期離床を推奨していますが、その元となった論文は1990年代のものでした。

 

当時の脳血管疾患での死亡者は人口10万人に対して100人くらい

手元にあるデータで一番新しい2009年は10万人に対して50人くらい。

多分2017年現在はさらに少ないと思います。

医療の進歩で亡くなる方が減少しています。

 

すると、

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上図のようなことがおこってきます(ちょっと大げさな色分けになってしまいましたが)

この今の医療では助かる人に、1990年代の調査対象の方の結果をそのまま当てはめて

本当に安全なのか、本当に良いのかという問題はでてくるんじゃないかと思います。

 

Lancetという世界トップクラスの雑誌に投稿された論文において

超早期に高負荷、高頻度の介入は良くないという結果がでている以上は一考の余地ありかと思います。

(別に早期の介入が良くないって訳ではないですよ) 

 

昔自分もICUとかで長下肢装具をつけて離床・起立とかを絶対正しいと思ってやっていましたが

やっぱり後になってなんか変な緊張がでちゃうんですよね・・・

 

6ヶ月の壁なんて言われてましたが、慢性期でも介入次第で変化はみられるという論文がどんどんでてますよね。

医療が進歩して変わっていく以上

自分のやってることもどんどんアップデートされていかないといけないので

やはり日々の勉強が大事だと思うこの頃です。