某理学療法士の英語論文考察ブログ

当ブログは、某理学療法士が 様々な英語論文を翻訳して、日々の臨床との繋がり等含めて考察しているブログです。 個人的にどこでみた文献か忘れないようにメモしているようなもので、 私の英語力は・・・あっ(察し)といったレベルなので、 元の論文を1度ご確認いただいてからの方が安心かと思います。 (基本的にpubMedでフリーになっている論文です)

神経活動により血液中のIGF-1は血液脳関門を超えて中枢神経系へ運ばれる

Neuronal activity drives localized blood-brain-barrier transport of serum insulin-like growth factor-1 into the CNS

 

Nishijima T, Piriz J, Duflot S, Fernandez AM, Gaitan G, Gomez-Pinedo U, Verdugo JMG, Leroy F, Soya H, Nunez A, Torres-Aleman I    2010

IF: 14!

 

すごい論文をみつけた気がします。

まず、IGF-1というのは

インスリン様成長因子1IGF-1)

人体の殆どの細胞、特に筋肉肝臓腎臓神経皮膚及びの細胞はIGF-1の影響を受ける。インスリン様効果に加え、IGF-1は細胞成長(特に神経細胞)と発達そして同様に細胞DNA合成を調節する。(Wikipediaより)

 

昔読んだ論文では、細胞の再生や成長に必須な因子で、神経の保護作用もあるとのこと。

 

脳の活動を測る方法としてよく用いられるものに、fMRIがありますが

あくまで脳血液動態をみているだけで、神経細胞の活動量が増えていることをみている訳ではない

よってfMRIを用いた研究は意味がないみたいな意見もあるみたいです

しかし、この論文では血流量が増加した部分では血中のIGF-1が血液脳関門をぬけて脳内に輸送される可能性が示されており

fMRIを用いた研究でも、結果的に神経活動をみれているのではないかと思います。

(他にも様々な要因があるため100%大丈夫とは言えないかと思いますが) 

 

ラット小脳脚に5Hzの電気刺激を15分加えたところその部位でのIGF-1が増大したそうですが

末梢に電気刺激を加えたところその対応する体性感覚野のIGF-1が増大したそうで。

さらに面白いのは、末梢に加える電気刺激は2HzだとIGF-1の増大に効果的だったが5HzではIGF-1の増大はみられなかったとのこと。

体性感覚野だけでなく、視床の後内側核でもIGF-1の増大がみられたことからも、感覚入力が脳に何らかの作用を与えていることが考えられると思います。

また、環境を変えると海馬におけるIGF-1が60%増加していたとのことで、普段と異なる刺激が加わることが認知機能にも良い効果をもたらす可能性が示唆されます。

 

ラット末梢に対する刺激では、2Hzが効果的で5Hzでは効果がみられなかったようですが、ヒトでも反応が良い周波数とかあるのかもしれませんね。

 

かなりレベルの高い論文で、自分は内容を消化しきれておりませんがこれは凄い・・・

 

 

自分は博士課程では臨床検査領域の手法を用いて研究を行なっていましたが  

PTの研究に応用できる部分はわずかかなぁなんて思ってましたが

こんな方法があるなんて!いろんな面で勉強になりました。

 

この論文を書かれた先生は現在首都大学にいらっしゃるそうで。(PTではありませんが)

東京でたまに研修会をされているみたいなので、参加してみたいです。